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「あてどなく彷徨い 静かに咆哮する」

そうつぶやく孤高の映像作家ギー藤田とその作品を紹介するページです。

ギー藤田は愛媛県松山市在住の映像作家です。

1990年、齢40を過ぎて映画「THE LOST RUMBLER」を制作します。最高の出来と自負していましたが、周囲からはまったく評価されず、脚本とはかけ離れた内容だったため、出資者は失望落胆。おまけに家賃を滞納していた大家さんにフィルム原版を没収されるという憂き目に合います。

だれひとりとして顧みてくれないことに大いに失望し、映画に恋しながらもその道をあきらめることとしました。

「THE LOST RUMBLER」より

しかし世の中捨てたものではありません。「転位・21」を主宰し、演劇界を激震させた稀代の劇作家、山崎哲さんが、たまたま観た「THE LOST RUMBLER」を大絶賛する長文の感想を発表したのです。
そこには「神の技」との表現まであり、山崎さんに「発掘された」ギー藤田はふたたび息を吹き返します。なんといってもはじめて自分の映像が褒められたことがうれしくてなりませんでした。

「代引き」より

復活したギー藤田は、映像制作を再開します。
2013年には高円寺純情商店街を舞台にした、心沁みわたる名作コメディ「代引き」を世に問います。さらに以降は、映像とことばを極限まで断片化する作風に向かい、「Going there」「MERANEY」といった実験的な作品を生み出しました。

「混チェルト」より

そして2020年には、初の長編映画「混チェルト」を発表します。そこでは、詩的な断片でしかなかったものが、希薄な有機のなかで触れ合い、いつしか「物語」を紡いでいくという映画的体験を実現しました。

ギー藤田の作品は、観るだけではなく体感するものばかりです。ぜひとも多くのかたにこの経験をしてもらいたいと思っています。そのための上映会をこれからはじめます。

「MERANEY」より

フェリーニは言った、
「映画は私である!」と。

ギー藤田は言う。
「私以外のすべてのもの、それが映画である。」

「Going there」より